【エックスウィン・インサイト Vol.3】“夏のビットコイン戦略”は「売って稼ぐ」
- Fumi
- 4月21日
- 読了時間: 4分

— 方向感のない相場を味方につける、プロのオプション戦略とは?xWINインサイト対談
|荒澤文寛 × KB(小林大輔)
🧭はじめに:夏の相場は「退屈」が最大の武器になる?
「夏はビットコインが退屈になる季節」このフレーズを耳にしたことがある方も多いかもしれません。実際、ビットコインは過去にも
4月~9月の夏場に“レンジ相場”になる傾向が見られ、±20%以内での値動きに留まることが多いのです。
2025年もその例に漏れず、ETFの資金流入が一服し、新規買い手も限定的、オンチェーンデータもパッとしない。そんな「動かない」市場でも、プロの投資家は戦略を立てて稼いでいます。今回も、xWINグループ共同創業者の荒澤文寛と、チーフリサーチャーKBが、「動かない相場でこそ使える」オプション戦略を深掘りします。
🎙️ 対談スタート
荒澤:KBさん、最近のビットコイン、ほんとに動かないですね。ETFも落ち着いてきたし、ボラティリティも低い。
KB:はい。2025年は2月と3月に大きく上がった後、完全に落ち着いてしまってますね。こうなると、“上がる”も“下がる”も読みづらくて、みんな様子見になります。
荒澤:けど、個人的にはこういう“動かない相場”ってむしろ好きなんですよ。だって、「動かない」ことを前提に戦略立てれば、意外と安定して利益が出せる。

📌「プレミアムを売って稼ぐ」ってどういうこと?
KB:それが、オプションのプレミアム収入を得る戦略ですね。具体的には「コール・プットの売り」です。
例:現在のビットコイン価格が80,000ドルの場合
120%コール売り(96,000ドルで売る権利を売る) → BTCが96,000ドルを超えなければ「何も起きず」利益確定(プレミアムが収入になる)
80%プット売り(64,000ドルで買う義務を引き受ける) → BTCが64,000ドルを割らなければ、こちらもプレミアム分の利益
荒澤:この戦略の面白いところって、「何もしないでいてくれた方がいい」ってことなんですよね。BTCが上にも下にも動かないほうが、売り手にとっては嬉しい。
KB:そう。“動かなかったら勝ち”っていう戦略。しかも、IV(インプライド・ボラティリティ)が低い=オプションが安定しやすい状況だから、非常に扱いやすいんです。
🎯「夏相場×オプション戦略」が相性抜群な理由
特徴 | 解説 |
📉方向感がない | 夏はトレンドが生まれにくい=大きく動かない |
🧮ボラティリティが低い | IVが下がると、オプション価格が落ち着く(戦略が組みやすい) |
💰時間経過が味方 | 売りポジションにとって、時間の経過は“勝ち”につながる |
荒澤:これ、やること自体はすごくシンプルなんですよね。でも「相場に逆らわない」「リスクを限定する」「確率で稼ぐ」という意味では、トレーディングの本質が詰まってるなと。
KB:あと、精神的にも安定しますよね。「上がるかな、下がるかな」で不安になるより、「動かない限りOK」って思えるほうが冷静に運用できる。

⚠️注意点とリスク管理も忘れずに!
もちろん、オプションの「売り」は損失が無限大になり得る取引。そのため、以下のようなルールが重要になります。
✅ストライク価格は十分余裕を持たせる(±20%以上)
✅証拠金管理をしっかり行う
✅急変時には損切り・ロールオーバーの判断を迷わない
荒澤:戦略的に「負けにくい」方法ではありますが、相場が急変することもありますからね。あくまで“安定して稼ぎやすい”だけで、油断は禁物です。
📘まとめ:夏相場の“退屈”を収益化する方法
ビットコインは夏場に±20%以内のレンジ相場になりやすい
上下20%のストライクで「コール売り」「プット売り」を組むと、動かない限りプレミアムを利益化できる
IVが低水準で、方向感のない相場にこそ有効な戦略
リスクはあるが、管理次第で安定的なインカムゲインが可能
🎓登場人物紹介
荒澤文寛(あらさわ・ふみひろ)xWINグループ共同創業者・シニアリサーチャー。元芝中学・高校の教員という異色の経歴を持ち、教育と金融をつなぐ人材育成のプロフェッショナル。行動経済学と心理学に強みを持ち、定量・定性を融合したリサーチを得意とする。
小林大輔(こばやし・だいすけ)xWINグループ チーフリサーチャー。ドイツ銀行、東京金融取引所、大手暗号資産取引所などでキャリアを積み、ヘッジファンドマネージャーとしての実績を持つ。トークン経済とアルゴリズム戦略の第一人者。
