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🇺🇸ステーブルコイン新時代へ——米国「ジーニアス法案」成立がもたらす衝撃とは?

  • 執筆者の写真: Oshima
    Oshima
  • 7月20日
  • 読了時間: 3分
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2025年7月18日、米国のトランプ大統領が「ジーニアス法案(GENIUS法)」に正式署名し、ステーブルコイン規制の新時代が幕を開けました。この法案は、米国において初めてステーブルコインに特化した包括的な連邦法であり、金融業界、暗号資産業界双方にとって極めて重要な転換点といえます。

本記事では、その内容、成立の背景、今後の影響についてわかりやすく解説します。

ジーニアス法案(GENIUS法)とは?

正式名称: Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act

米ドルなどの法定通貨と価値を連動させたステーブルコインを対象に、発行・運営ルールを明確に定めた連邦レベルの規制法です。

成立の経緯

  • 2025年6月:米上院にて可決

  • 2025年7月17日:下院でも308対122の圧倒的賛成多数で可決

  • 2025年7月18日:トランプ大統領が署名、正式成立

この法案は、政界・産業界を巻き込んだ議論の末に、スピード感を持って成立に至りました。

3つの主要ポイント

① 規制の枠組み明確化

  • ステーブルコインの発行・流通に関する初の統一ルール

  • 市場の健全化と利用者保護を明確な目的に掲げています。

② 発行者への厳格な要件

  • 100%の資産裏付け(米ドル、預金、米国債など)が必須。

  • 発行体はFRB(中央銀行)またはOCC(通貨監督庁)による認可と監督が必要。

    • 銀行系:FRBの管轄

    • 非金融系(フィンテックなど):OCCの管轄

  • 準備金情報の開示・監査の義務も。

③ 支払い手段としての公式認定

  • ステーブルコインは“決済手段”として定義され、実店舗や金融機関での導入が促進される。

  • 信頼性向上により、消費者も安心して利用可能に。

業界・市場への影響

  • テザー(USDT)やサークル(USDC)など既存発行者は、法対応が急務。

  • ウォール街の大手金融機関やフィンテック企業の新規参入が現実に。

  • 準備資産として米国債などの需要増加が見込まれ、金融市場全体への波及効果も期待されます。

よくある疑問まとめ

質問

回答

何が規制される?

ステーブルコインの発行・流通

誰が監督?

FRB(銀行系)/OCC(非金融系)

何が義務?

全額裏付け、情報開示、監査

目的は?

利用者保護、透明性確保、イノベーション促進

施行時期は?

署名から18か月以内、または細則制定後4か月以内

エックスウィン視点の注目ポイント

  1. DeFiとの接点拡大:ステーブルコインが合法的決済手段となることで、DeFiへの流入資金が安定化。トラディショナル金融×DeFiの融合加速に。

  2. 日本市場への示唆:日本でも、電子決済型ステーブルコインや与信型ステーブルコインをめぐる法整備が進行中。ジーニアス法は「参考モデル」として、金融庁や日銀の議論に影響を与える可能性。

  3. 投資家心理の転換点:信頼できるルールの存在は、機関投資家の本格参入を後押し。資産運用の一部としてステーブルコイン保有が当たり前になる時代へ。

まとめ:ステーブルコインは“法的通貨圏”へ

ジーニアス法の成立は、ステーブルコインを単なる投機的資産から“日常で使える通貨”へと昇華させる、大きな第一歩です。今後は、同時に進行する「CLARITY法(デジタル資産市場構造法)」とも連動し、米国は世界のWeb3金融規制の中心的存在となっていくでしょう。



 
 
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